4月1日(日) 美波町のアオリイカ釣り

今年に入ってから 真冬としては異例の

10週連続土曜出撃が続いたかと思えば

ここにきて3週連続荒天中止。


土曜日は嵐・日曜日も瀬戸内では風が残りそう。

今週も無理やな。
 

いや 待てよ。

風は強くても 風向きは北西 … となれば

西がだめなら東があるさ。


前日夜になって

乗り合い募集をしていた 八千代丸の船頭さんに電話。

人数が集まらないし 風も出そうなので さっき中止にしたばかりです … って。

でも私が来るなら船出しましょうかということで,方針変更


数分後 折り返しの電話連絡があり 出船決定。

アオリ狙いで一日がんばってみることに。


天気はバッチリ。



風も西よりなら大丈夫のはず。


例年は年明けから徐々に釣れなくなって そのまま終了というパターンでったが

去年あたりから 2月3月でも潮のいい日には そこそこ釣れるようになったみたい。


しかし ここ2,3週間は下り潮&潮止まりが続いて

海水温も瀬戸内とそれほど変わらない11〜12℃台。

低水温・潮止まりの低活性ではアタリすらないかも。


厳しい釣りになりそうなことは百も承知。

2,3杯釣れたらラッキーの軽い気持ちで挑もう。



アジを仕入れて 6:30 出港。

港を出たところで水温計を見ると …

すでに14℃台。


沖へ出ると15〜16℃もある。

上り潮が効いているようだ。

これは 期待できるかも。


7:00 釣り開始。



風はけっこう吹いているが 西よりのうちは大丈夫。


狙う水深は80mライン。


久しぶりの感触を思い出しながら

海底の様子をイメージする。



… ん … !?

アオリがアジを抱いた感触。

慌てずに竿先を下げながらリールのハンドルを巻き 合わせの体勢に。

せーの ドン!

肩の位置でガツンと竿が止まる。

一呼吸置いて 懐かしい手応え。



久しぶりの感触で揚がってきた1.5キロ級のアオリ。


最初の流しで釣れたので 随分気が楽になる。


次の流しでもアタリが …

何だか引きが変だと思ったら

やっぱりコイツか。



真っ黒い墨を吐きまくる コウイカ。


上り潮がじわっと流れているそうだが

一つのポイントで1杯ヒットしたら 2杯目は来ない。


しばらくアタリが止まって ポイントを変えたところで

2杯目のアオリをキャッチ。



♂より♀の方が小さい。


この時期の成長の早い♂は2〜3kgになっているはず。

何としても仕留めたいものだが。



その後 艫で釣っているおじさんの竿が大きく曲がっていると思ったら

何だかすごく大きいいアオリをキャッチしていた。

胴長40cmは越えていそう。

これって 3kg近いんじゃないの?


ラインが凄く太そうだから 何号ですかってお聞きすると

「5号!!」って

私は2.5号にしようか,

食いを優先してリスク覚悟の2号にしようか悩んでいたというのに。


今日はこのサイズを釣るために来たんだと自分に言い聞かせて

自分の釣りに集中。



西風が止んで 海はベタ凪に。



波の高さは5cm。

こうなれば,竿先から伝わるわずかな変化も 手に取るように分かる。


アタリは逃さない。



アオリと釣り人との駆け引きが この釣り方の最大の魅力である。


9時までに4杯キャッチと最盛期並みの釣れっぷり。

このペースなら余裕で2桁かと思っていたら


そこから次の一杯が遠かった。


動いていた上り潮が止まってしまった。


おまけに風が北東に変わり

さきほどまで凪いでいた海が一瞬にして大荒れに。



2〜3mの大波が容赦なく船を揺らす。

潮止まり・大波・晴天とアオリ釣りにとって 悪い条件がかさなってしまった。



となれば,当然のごとくアタリはパッタリ途絶えてしまう。



ここから長い長い沈黙が続く。



潮に敏感なアオリなので

潮が止まれば食いはガタ落ち。




こんな時こそ 集中力を切らさないようにせねば。



ラインを2号に落としたり,


掛け針を小さいタイプに交換したり


考え得ることは全て実践したが




9時からの6時間 生体反応は途絶えたまま。




ふと考えてみると アオリの飲ませ釣りは メバル釣りと共通する物がある。

どちらのターゲットも海底にいる獲物を狙うが

オモリを底に着け べた底に仕掛けをもっていっているようではアタリは少ない。

底から2〜3mがヒットゾーン。


またどちらのターゲットも非常に目がいいので,

生半可な仕掛けでは見切られてしまう。


潮に敏感なところも共通点。

潮が止まれば食いもピタリと止まってしまう。


何より仕掛けをできるだけ動かさず

自然な状態で潮に乗せて目の前に運んでやる そんな釣りなのである。







何時間アタリがなくても 不思議と この釣りだけはいやにならない。





日が傾き掛けた頃

竿先に伝わる微かな違和感。

ゆっくりと合わせの体勢に入り   … ドン!!

まずまずの手応えだが 狙いの2kgサイズではなさそう。



1.5kgほどの♂。


その後も 何とか 次の1杯を狙い続けたが

残念ながら アタリなく そのまま終了。


大荒れの太平洋をあとに。



船中3人でアオリ8杯。

最大サイズは 胴長42cm 2.5kgあった。



このサイズを釣りたかったのだが …


朝の一時 上り潮が動いている間は アタリもポツポツあったが,

潮が止まってからは 我慢の釣りになってしまった。


潮の動き次第では まだまだ船からの飲ませ釣りで

2〜3kgの大型アオリが狙えそう。


瀬戸内のように きちんと決まった潮汐がない太平洋なので

釣れるか釣れないかは その時の潮次第, まさに出たとこ勝負。


リスク覚悟で狙ってみる価値は十分あるのでは。



本日の釣果 アオリイカ 胴長 〜36cm 5杯